過去夢の少女
トイレへ
「中身は牛乳だ」
飯田が冷たい声で言ったのは河村結夏が泣きながらトイレへと走っていったあとだった。
河村結夏の髪の毛にはベッタリと白いものが付着していた。
「さすが飯田くんだね。想像以上のものを見せてもらったよ」
恵が小声で言ってクスクス笑う。
さっきまで騒然としていた教室内も、今ではざわめきが戻り始めていた。
なにより、河村結夏にパパ活を強要されたと証言する子が現れたことで、話題はもちきりだった。
「それより、あの子は誰だったの?」
騒ぎの最中にこつ然といなくなってしまった私服の女の子。
「あれは隣のクラスの子だよ。ちょっとお金をあげて演技してもらったの」
「服は? 事前に準備してたの?」
夢の内容は今朝まで知らなかったのだから、そんなことできるだろうかと首を捻っていると、恵が自信満々に「さっき言ったでしょう? 演技してもらったって。あの子、演劇部に入部してるんだよ。だから衣装も着たい放題ってわけ」と、説明してくれた。
「全部、恵が仕掛けたの?」
「もちろん。楽しいものを見せてあげるって言ったじゃん」
恵はそう言って楽しそうに笑ったのだった。
飯田が冷たい声で言ったのは河村結夏が泣きながらトイレへと走っていったあとだった。
河村結夏の髪の毛にはベッタリと白いものが付着していた。
「さすが飯田くんだね。想像以上のものを見せてもらったよ」
恵が小声で言ってクスクス笑う。
さっきまで騒然としていた教室内も、今ではざわめきが戻り始めていた。
なにより、河村結夏にパパ活を強要されたと証言する子が現れたことで、話題はもちきりだった。
「それより、あの子は誰だったの?」
騒ぎの最中にこつ然といなくなってしまった私服の女の子。
「あれは隣のクラスの子だよ。ちょっとお金をあげて演技してもらったの」
「服は? 事前に準備してたの?」
夢の内容は今朝まで知らなかったのだから、そんなことできるだろうかと首を捻っていると、恵が自信満々に「さっき言ったでしょう? 演技してもらったって。あの子、演劇部に入部してるんだよ。だから衣装も着たい放題ってわけ」と、説明してくれた。
「全部、恵が仕掛けたの?」
「もちろん。楽しいものを見せてあげるって言ったじゃん」
恵はそう言って楽しそうに笑ったのだった。