過去夢の少女
☆☆☆

いくら牛乳とはいえやりすぎたんじゃないだろうか。

そんな気持ちがあるものの、私の胸はやはりスッキリとした気分で満たされていた。

河村結夏の苦しんでいる顔は今の私の栄養だ。

「夢はまだまだ続いていくよ。イジメの内容だってだんだんエスカレートしていくかもしれない」

恵は実体験からかそれを確信しているようだった。

少し頭を冷やすために女子トイレに向かうと、そこで泣きながら髪の毛を洗っている河村結夏に遭遇してしまった。

教室から一番近いトイレに入ってしまったことを後悔しつつ、その後ろを通り過ぎる。

その瞬間生臭い匂いが漂ってきて思わず足を止めてしまった。
飯田は牛乳だと言っていたけれど、本当だろうか?

横目で河村結夏の髪の毛を見てみると、そこにはまだドロリとした液体が張り付いていたのだった。
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