過去夢の少女
月3万円でもバイト代が入れば、そこから自分のお小遣いとスマホ代くらいは支払いことができる。

土日に集中してシフトに入ればどうにかなりそうな金額だから、平日なにか部活をすることもできる。

これが、私なりに考えたことだった。
「そういうことなら、お母さん反対しないわ」

バイトをするのは土日だけだと伝えたことでようやく安心したようで、お母さんは食事を再開させた。

「どういうところで働きたいの?」
「できればラーメンずどん屋がいいと思ってる」

それは近所にあるラーメン屋の名前で、昼間に行けば女性店員さんが多く働いていることも知っていた。

ここの店長さんとはすでに顔なじみだし、なによりまかないが出るのが嬉しい。
「絵梨はあそこのラメーン大好きだもんね。わかった、お母さんも応援する」

「うん。ありがと」
私はそう言うと残っているカレーを一気に口にかき込んだのだった。
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