花冠の聖女は王子に愛を歌う
「……どういうことだ?」
イスカは青ざめて、光り輝く立方体からエルザに視線を転じた。
「……非常に申し上げにくいことなのですが……王宮はセレン王子を見捨てました。半年ほど前から王子の生命維持に関わる薬を支給しなくなったのです」
エルザは金色の目を伏せて言った。
「え!?」「は!?」
リナリアとイスカは驚愕の声を上げた。
さきほどエルザが言いにくそうにしていたことは、どうやらこのことだったらしい。
「無論、セレン様に仕える女官たちは再三訴えたそうです。しかし、誰にも聞く耳を持っていただけず――」
「ちょっと待てよ、あいつは薬を飲まなきゃ死んじまうんだぞ!?」
イスカは激しく狼狽えて立ち上がった。
「半年って、そんな長い間――身体が持つわけ――じゃああいつは、まさか――」
イスカは青ざめて、光り輝く立方体からエルザに視線を転じた。
「……非常に申し上げにくいことなのですが……王宮はセレン王子を見捨てました。半年ほど前から王子の生命維持に関わる薬を支給しなくなったのです」
エルザは金色の目を伏せて言った。
「え!?」「は!?」
リナリアとイスカは驚愕の声を上げた。
さきほどエルザが言いにくそうにしていたことは、どうやらこのことだったらしい。
「無論、セレン様に仕える女官たちは再三訴えたそうです。しかし、誰にも聞く耳を持っていただけず――」
「ちょっと待てよ、あいつは薬を飲まなきゃ死んじまうんだぞ!?」
イスカは激しく狼狽えて立ち上がった。
「半年って、そんな長い間――身体が持つわけ――じゃああいつは、まさか――」