花冠の聖女は王子に愛を歌う
「イスカ様、セレン様のお世話がわたくしとメイドたちが致します。積もる話はおありでしょうが、もう夜も遅いですし、今日のところは……どうか」
「……そうだな。話はまた明日にしよう」
頭を下げたエルザにイスカが頷き、エルザやユマを除く全員が退室した。
「……すみません。私のせいで……歌わなければ良かったですね」
意気消沈して、リナリアは項垂れた。
「謝るな。リナリアが悪いんじゃない。そもそも歌えと言ったのはあいつだし、興奮しすぎたあいつが悪い」
「でも……」
「気にするなって。あいつのあんな楽しそうな顔は初めて見たよ」
兄のことが心配で堪らないだろうに、イスカは笑った。リナリアの罪悪感を和らげるために。
(……絶対にフローラ様にセレン様を治していただこう)
唇を噛み、リナリアは固く心に誓った。
「……そうだな。話はまた明日にしよう」
頭を下げたエルザにイスカが頷き、エルザやユマを除く全員が退室した。
「……すみません。私のせいで……歌わなければ良かったですね」
意気消沈して、リナリアは項垂れた。
「謝るな。リナリアが悪いんじゃない。そもそも歌えと言ったのはあいつだし、興奮しすぎたあいつが悪い」
「でも……」
「気にするなって。あいつのあんな楽しそうな顔は初めて見たよ」
兄のことが心配で堪らないだろうに、イスカは笑った。リナリアの罪悪感を和らげるために。
(……絶対にフローラ様にセレン様を治していただこう)
唇を噛み、リナリアは固く心に誓った。