花冠の聖女は王子に愛を歌う
「失礼いたします、セレン様。体調はいかがでしょうか?」
昼食後。
ユマに「いまなら会話できそうです」と聞いたリナリアは自分の部屋に戻ることなく、食堂からセレンの部屋へと直行した。
昼間の陽光が差し込む部屋には先客がいた。イスカとエルザだ。
二人はベッドの脇に椅子を並べて座っていた。
どうやら三人で楽しくお喋りしていたらしい。
「心配してくれてありがとう。大丈夫だよ。この通り、今日はとても体調が良いんだ。きっとイスカや皆と会えたからだね」
セレンはリナリアを歓迎するように微笑んでいる。
その顔色は相変わらず青白い。
ベッドから下りられず、背中にクッションを敷いて座っている状態でも『とても体調が良い』らしい。
「それは良かったです」
努めて微笑み、近づくと、イスカが椅子を譲ってくれた。礼を述べて椅子に座る。
「昨日――いや、日付としては今日か。今日は驚かせてすまなかったね。君の歌があまりにも素晴らしかったから、つい興奮してしまった」
セレンは苦い笑みを零し、すぐに微笑みへと切り替えた。
昼食後。
ユマに「いまなら会話できそうです」と聞いたリナリアは自分の部屋に戻ることなく、食堂からセレンの部屋へと直行した。
昼間の陽光が差し込む部屋には先客がいた。イスカとエルザだ。
二人はベッドの脇に椅子を並べて座っていた。
どうやら三人で楽しくお喋りしていたらしい。
「心配してくれてありがとう。大丈夫だよ。この通り、今日はとても体調が良いんだ。きっとイスカや皆と会えたからだね」
セレンはリナリアを歓迎するように微笑んでいる。
その顔色は相変わらず青白い。
ベッドから下りられず、背中にクッションを敷いて座っている状態でも『とても体調が良い』らしい。
「それは良かったです」
努めて微笑み、近づくと、イスカが椅子を譲ってくれた。礼を述べて椅子に座る。
「昨日――いや、日付としては今日か。今日は驚かせてすまなかったね。君の歌があまりにも素晴らしかったから、つい興奮してしまった」
セレンは苦い笑みを零し、すぐに微笑みへと切り替えた。