花冠の聖女は王子に愛を歌う
「セレンのこと頼むな、エルザ」
「はい。お任せください」
「……すまない、エルザ。君には……いや、君だけではない。バークレイン家には迷惑をかける」
セレンは申し訳なさそうに目を伏せた。
「迷惑だなんて思わないでくださいませ。わたくしはセレン様が生きておられるだけで幸せですわ。こうしてまたセレン様のお傍に居ることができるなんて、夢のようです」
エルザは身を乗り出してセレンの右手を両手で包み、微笑んだ。
「ありがとう。本当にエルザは優しいね。将来君の夫となる人は幸せだろうな」
「そ、そう……でしょうか」
「もちろんだよ。不安なら私が保証しよう。君ほど優しく、心映えが素晴らしい淑女は他にいない。どうか君に相応しい素敵な男性と幸せになってくれ」
「……努力しますわ……」
セレンに微笑まれたエルザの顔は微妙に引き攣っている。
(これは演技ではなく、本当に、全く気づいておられないのね……)
どうやらセレンは信じられないほど鈍感らしい。
「はい。お任せください」
「……すまない、エルザ。君には……いや、君だけではない。バークレイン家には迷惑をかける」
セレンは申し訳なさそうに目を伏せた。
「迷惑だなんて思わないでくださいませ。わたくしはセレン様が生きておられるだけで幸せですわ。こうしてまたセレン様のお傍に居ることができるなんて、夢のようです」
エルザは身を乗り出してセレンの右手を両手で包み、微笑んだ。
「ありがとう。本当にエルザは優しいね。将来君の夫となる人は幸せだろうな」
「そ、そう……でしょうか」
「もちろんだよ。不安なら私が保証しよう。君ほど優しく、心映えが素晴らしい淑女は他にいない。どうか君に相応しい素敵な男性と幸せになってくれ」
「……努力しますわ……」
セレンに微笑まれたエルザの顔は微妙に引き攣っている。
(これは演技ではなく、本当に、全く気づいておられないのね……)
どうやらセレンは信じられないほど鈍感らしい。