花冠の聖女は王子に愛を歌う
「あれは形だけですわ、形だけ! 婚約者のいない結婚適齢期の公爵家の娘が参加しないわけにはいかないでしょう!? お父様はとにかく王子の妃になれれば嫁ぐ相手がウィルフレッド様でも構わないと思われておられたようですが、セレン様の妃になれるのならばそれが最高に決まっています! 良かったですわ、大至急お父様に報告しませんと!! 失礼いたします!!」
早口でまくしたて、エルザは一陣の風のような速さで退室した。
「……王宮でおれとはまた別種の地獄みたいな生活を送ってんじゃねえかと心配してたけど、実はめちゃくちゃ愛されてたんだな、お前。安心した」
「……そうみたいだね。私なんかを好きになってくれるとは……エルザも物好きだなぁ。彼女ならもっと素敵な相手がいくらでもいるだろうに……」
早口でまくしたて、エルザは一陣の風のような速さで退室した。
「……王宮でおれとはまた別種の地獄みたいな生活を送ってんじゃねえかと心配してたけど、実はめちゃくちゃ愛されてたんだな、お前。安心した」
「……そうみたいだね。私なんかを好きになってくれるとは……エルザも物好きだなぁ。彼女ならもっと素敵な相手がいくらでもいるだろうに……」