花冠の聖女は王子に愛を歌う
王宮にて
二日後。リナリアはフルーベルの王城で大変身を遂げていた。
「終わりました。どうぞご確認ください、リナリア様」
リナリアの顔に化粧を施した侍女が下がると、二人の侍女が猫足つきの姿見を運んできた。
(……これが本当に私なの?)
姿見に映る自分自身の姿を見て、リナリアは何故この部屋にいる三人の侍女たちが誇らしげな顔をしているのかを理解した。
化粧のおかげで輝きを増した肌。
ほんの少し赤みを添えられた頬に、艶やかな光沢を放つ薔薇色の唇。
長い睫毛に守られた緑色の瞳は、いつもよりぱっちりと大きく見える。
コルセットを締めた身体を包むのは瞳と合わせた豪奢な緑色のドレス。
髪は両側を編み込み、後頭部には華やかな髪飾りがつけられていた。
耳元と首元で輝いているのはダイヤモンド。
「ありがとう。あなたたちのおかげで、自信を持って陛下に拝謁することができます」
リナリアは微笑んだ。
「終わりました。どうぞご確認ください、リナリア様」
リナリアの顔に化粧を施した侍女が下がると、二人の侍女が猫足つきの姿見を運んできた。
(……これが本当に私なの?)
姿見に映る自分自身の姿を見て、リナリアは何故この部屋にいる三人の侍女たちが誇らしげな顔をしているのかを理解した。
化粧のおかげで輝きを増した肌。
ほんの少し赤みを添えられた頬に、艶やかな光沢を放つ薔薇色の唇。
長い睫毛に守られた緑色の瞳は、いつもよりぱっちりと大きく見える。
コルセットを締めた身体を包むのは瞳と合わせた豪奢な緑色のドレス。
髪は両側を編み込み、後頭部には華やかな髪飾りがつけられていた。
耳元と首元で輝いているのはダイヤモンド。
「ありがとう。あなたたちのおかげで、自信を持って陛下に拝謁することができます」
リナリアは微笑んだ。