花冠の聖女は王子に愛を歌う
晩餐会には宰相アーカムや筆頭書記官メイナードといった重臣の他にも、王宮で妃教育を受けているデイジー・フォニスが出席していた。
ふわふわと波打つ蜂蜜色の髪。
ぱっちりとした大きなアクアブルーの目。
その容姿が孤児院でよく遊んでいた人形そっくりそのままだったため、王子妃選考会で初めて会ったとき、リナリアは一瞬、本気で人形が動いていると思った。
選考会では誰もがライバルの足を引っ張り、蹴落とすことしか考えていなかった。
もしも暴力は禁止という条項がなければ、場外乱闘の末に死人が出ていたことだろう。
そんなギスギスした空気の中、リナリアに唯一自ら声をかけてくれたのがデイジーだ。
フォニス公爵家といえば、バークレインと同じ四大公爵家の一つ。
遥か格下の男爵令嬢など相手にする義理はないのに、彼女はリナリアの緊張を見抜いて手ずから紅茶を淹れ、巧みな話術で楽しませてくれた。
デイジーはリナリアだけではなく、色んな女性に笑顔を振り撒き、相手を笑顔にしていた。
デイジーに声をかけられた女性は例外なくデイジーの虜になった。
リナリアもデイジーのことが大好きだ。彼女を嫌う人はよほどの捻くれ者だろう。
ふわふわと波打つ蜂蜜色の髪。
ぱっちりとした大きなアクアブルーの目。
その容姿が孤児院でよく遊んでいた人形そっくりそのままだったため、王子妃選考会で初めて会ったとき、リナリアは一瞬、本気で人形が動いていると思った。
選考会では誰もがライバルの足を引っ張り、蹴落とすことしか考えていなかった。
もしも暴力は禁止という条項がなければ、場外乱闘の末に死人が出ていたことだろう。
そんなギスギスした空気の中、リナリアに唯一自ら声をかけてくれたのがデイジーだ。
フォニス公爵家といえば、バークレインと同じ四大公爵家の一つ。
遥か格下の男爵令嬢など相手にする義理はないのに、彼女はリナリアの緊張を見抜いて手ずから紅茶を淹れ、巧みな話術で楽しませてくれた。
デイジーはリナリアだけではなく、色んな女性に笑顔を振り撒き、相手を笑顔にしていた。
デイジーに声をかけられた女性は例外なくデイジーの虜になった。
リナリアもデイジーのことが大好きだ。彼女を嫌う人はよほどの捻くれ者だろう。