花冠の聖女は王子に愛を歌う
「あなたとメノンが幼馴染であることはデイジー様に聞いたわ。もしかしてその……恋人だったりしたのかしら」
「いいえ。ただの友人です」
クロエの声は一定のトーンを保っている。その表情は全くの無。まるで感情そのものが枯渇しているかのようだった。
「……そう。では何故メノンが私を殺そうとしたのかは知っている? 遺書からすると私を殺せと命じたのはロアンヌ様のようだけれど、何故彼はそんな理不尽な命令に従ったのかしら。ロアンヌ様は聡明なお方だと聞いたわ。意味もなく私を殺そうとするとは思えない。何らかの理由で私が邪魔なのだとしても、《光の樹》を成長させてからにすべきだと思うのだけれど」
「……私は何も知りません。問い詰めたところで時間の無駄です」
クロエの返事はそっけなかった。
「…………。クロエ。素直に教えてもらえないのなら、私はここでメノンの遺品を埋めていたあなたのことを騎士に報告しなければならなくなってしまうわ」
「構いません。どうぞお好きに」
クロエは鉄壁の無表情で答えた。
(……まあ、クロエは友人の遺品を埋めただけで、別に犯罪を犯したわけではないものね……)
どうしたらこの無表情を崩せるのだろう。
悩みに悩んだ末に、リナリアは言った。
「いいえ。ただの友人です」
クロエの声は一定のトーンを保っている。その表情は全くの無。まるで感情そのものが枯渇しているかのようだった。
「……そう。では何故メノンが私を殺そうとしたのかは知っている? 遺書からすると私を殺せと命じたのはロアンヌ様のようだけれど、何故彼はそんな理不尽な命令に従ったのかしら。ロアンヌ様は聡明なお方だと聞いたわ。意味もなく私を殺そうとするとは思えない。何らかの理由で私が邪魔なのだとしても、《光の樹》を成長させてからにすべきだと思うのだけれど」
「……私は何も知りません。問い詰めたところで時間の無駄です」
クロエの返事はそっけなかった。
「…………。クロエ。素直に教えてもらえないのなら、私はここでメノンの遺品を埋めていたあなたのことを騎士に報告しなければならなくなってしまうわ」
「構いません。どうぞお好きに」
クロエは鉄壁の無表情で答えた。
(……まあ、クロエは友人の遺品を埋めただけで、別に犯罪を犯したわけではないものね……)
どうしたらこの無表情を崩せるのだろう。
悩みに悩んだ末に、リナリアは言った。