花冠の聖女は王子に愛を歌う
「皆のもの、よく集まってくれた。今日は《花冠の聖女》リナリア・バークレインの尽力により、《光の樹》が余の背丈よりも高く成長したことを祝う宴だ。料理人が腕を奮った料理と菓子に舌鼓を打ち、楽しいひと時を過ごしてほしい。では、聖女に乾杯!」
そう言って、テオドシウスは手にした酒杯を高々と掲げた。
(私に乾杯してくださるんですか国王様!?)
打ち合わせになかったことを言われて、リナリアは胸中で慌てた。
会場にいる皆がこちらを見ている。
嬉しいやら恥ずかしいやら光栄やらで、顔が熱くなった。
いまから起こることを考えれば、呑気に顔を赤くしている場合ではないのはわかっているのだが。
「乾杯!」
「《花冠の聖女》様に感謝を!」
口々に言って、みなが一斉に酒杯を呷る。
リナリアは葡萄酒を飲むふりをしながら、ウィルフレッドを見た。
酒杯を呷ったウィルフレッドは顔色を変えて胸を押さえた。
手から抜けた酒杯が地面に落ちて割れる。彼自身もまたその場に倒れ込んだ。
そう言って、テオドシウスは手にした酒杯を高々と掲げた。
(私に乾杯してくださるんですか国王様!?)
打ち合わせになかったことを言われて、リナリアは胸中で慌てた。
会場にいる皆がこちらを見ている。
嬉しいやら恥ずかしいやら光栄やらで、顔が熱くなった。
いまから起こることを考えれば、呑気に顔を赤くしている場合ではないのはわかっているのだが。
「乾杯!」
「《花冠の聖女》様に感謝を!」
口々に言って、みなが一斉に酒杯を呷る。
リナリアは葡萄酒を飲むふりをしながら、ウィルフレッドを見た。
酒杯を呷ったウィルフレッドは顔色を変えて胸を押さえた。
手から抜けた酒杯が地面に落ちて割れる。彼自身もまたその場に倒れ込んだ。