花冠の聖女は王子に愛を歌う
「ウィルフレッド様!?」
どよめきと悲鳴が上がる。
彼の近くにいた騎士サリオンが素早く駆け寄ってウィルフレッドを抱き起こす。
しかし、ウィルフレッドは口から赤黒い液体を零したままぐったりとして動かない。
「毒を盛られたのか!?」
「そんな、一体誰が!?」
ウィルフレッドに酒杯を渡した給仕が騎士に拘束されている。
給仕は目に涙を浮かべて震えているが、素晴らしい演技だ。
国王と王子、会場にいる騎士たちとウィルフレッドに酒杯を渡す役の給仕には予め事情を話していた。イザークとヴィネッタも知っているため、招かれた貴族のうち、彼らだけがさほど動揺を見せなかった。
「……陛下。ウィルフレッド様の脈がありません。即効性の強力な毒だったようです。恐らくは瞬時に死を与える魔法薬の類でしょう。残念ですが……」
ウィルフレッドの首筋に手を当てたサリオンは沈痛な面持ちで言った。
どよめきと悲鳴が上がる。
彼の近くにいた騎士サリオンが素早く駆け寄ってウィルフレッドを抱き起こす。
しかし、ウィルフレッドは口から赤黒い液体を零したままぐったりとして動かない。
「毒を盛られたのか!?」
「そんな、一体誰が!?」
ウィルフレッドに酒杯を渡した給仕が騎士に拘束されている。
給仕は目に涙を浮かべて震えているが、素晴らしい演技だ。
国王と王子、会場にいる騎士たちとウィルフレッドに酒杯を渡す役の給仕には予め事情を話していた。イザークとヴィネッタも知っているため、招かれた貴族のうち、彼らだけがさほど動揺を見せなかった。
「……陛下。ウィルフレッド様の脈がありません。即効性の強力な毒だったようです。恐らくは瞬時に死を与える魔法薬の類でしょう。残念ですが……」
ウィルフレッドの首筋に手を当てたサリオンは沈痛な面持ちで言った。