花冠の聖女は王子に愛を歌う
「…………」
テオドシウスは静かに目を閉じた。
それから、目を開き、窺うように言った。
「……触れても良いか?」
「え? はい……どうぞ」
戸惑いながらもイスカが了承すると、テオドシウスはイスカの頭に手を置いた。
不器用な手つきで、軽く頭を撫でる。まるで壊れ物を扱うような慎重さ。
「……これからもセレンと二人、互いに助け合いながら生きていくように。決して憎んだり、争い合ったりするな。お前を弟と偽って幽閉したのは余だ。あの子は何も悪くない」
「わかっています。過去にはあいつを憎んだこともありましたが、それはあくまで過去の話です。いまはおれの……」
いったん言葉を切って、イスカは微笑んだ。
テオドシウスは静かに目を閉じた。
それから、目を開き、窺うように言った。
「……触れても良いか?」
「え? はい……どうぞ」
戸惑いながらもイスカが了承すると、テオドシウスはイスカの頭に手を置いた。
不器用な手つきで、軽く頭を撫でる。まるで壊れ物を扱うような慎重さ。
「……これからもセレンと二人、互いに助け合いながら生きていくように。決して憎んだり、争い合ったりするな。お前を弟と偽って幽閉したのは余だ。あの子は何も悪くない」
「わかっています。過去にはあいつを憎んだこともありましたが、それはあくまで過去の話です。いまはおれの……」
いったん言葉を切って、イスカは微笑んだ。