花冠の聖女は王子に愛を歌う
「リナリア。セレンが本当はおれの弟だっていうのは、あいつには言わないでくれ。もし事実を知ったら、あいつはきっと気に病む。余計な負い目を感じさせたくないんだ」
《百花の宮》に戻るなり、アルカは真顔でそう言った。
人払いを命じなくとも、侍女たちが近づく気配はなく、居間にはアルカとリナリアの二人きり。向かい合うのではなく、並んでソファに座っている。
「承知しました、アルカ様。言わないとお約束します」
「……。なんか不思議な感じだな。違和感があるような、そうでもないような……お前が名付けたアルル+イスカでアルカと思えばいいか」
アルカは頬を掻き、それからリナリアの表情に気づいて首を傾げた。
《百花の宮》に戻るなり、アルカは真顔でそう言った。
人払いを命じなくとも、侍女たちが近づく気配はなく、居間にはアルカとリナリアの二人きり。向かい合うのではなく、並んでソファに座っている。
「承知しました、アルカ様。言わないとお約束します」
「……。なんか不思議な感じだな。違和感があるような、そうでもないような……お前が名付けたアルル+イスカでアルカと思えばいいか」
アルカは頬を掻き、それからリナリアの表情に気づいて首を傾げた。