花冠の聖女は王子に愛を歌う
「それが何だって言うんですか!!」
負けじとリナリアは大声を出した。
アルカが怯んだ隙に早口でまくし立てる。
「私だって金も地位もない、ただ少し歌が上手いだけの孤児でした!! たった一年淑女教育を受けただけの元・平民が王妃になるなんて荷が重すぎますよ!! そもそも王妃の座に興味はないと言いましたよね!? ああもう、何回言えばいいんですか、私がなりたいのはアルカ様の妻なんです!! 他の男性なんて眼中にないんです!!」
アルカの両手をがしっと掴み、顔を近づけて睨みつける。
「というわけで!! いい加減覚悟を決めて私と結婚しなさい!!」
「……、おかしいな。普通は男が女に言う台詞じゃねえかな、それ。しかも求婚されてるっていうより脅迫されてる気分なんだが……『結婚しないなら酷い目に遭わすぞテメエ』って語尾につきそうな……」
「はい、仰る通り酷い目に遭わせます!!」
「どんな目だよ!?」
アルカがそう言った瞬間、リナリアはすぐそこにあったアルカの唇を自分の口で塞いだ。
負けじとリナリアは大声を出した。
アルカが怯んだ隙に早口でまくし立てる。
「私だって金も地位もない、ただ少し歌が上手いだけの孤児でした!! たった一年淑女教育を受けただけの元・平民が王妃になるなんて荷が重すぎますよ!! そもそも王妃の座に興味はないと言いましたよね!? ああもう、何回言えばいいんですか、私がなりたいのはアルカ様の妻なんです!! 他の男性なんて眼中にないんです!!」
アルカの両手をがしっと掴み、顔を近づけて睨みつける。
「というわけで!! いい加減覚悟を決めて私と結婚しなさい!!」
「……、おかしいな。普通は男が女に言う台詞じゃねえかな、それ。しかも求婚されてるっていうより脅迫されてる気分なんだが……『結婚しないなら酷い目に遭わすぞテメエ』って語尾につきそうな……」
「はい、仰る通り酷い目に遭わせます!!」
「どんな目だよ!?」
アルカがそう言った瞬間、リナリアはすぐそこにあったアルカの唇を自分の口で塞いだ。