花冠の聖女は王子に愛を歌う
「あーあ。意気地のない誰かさんのせいで、私は将来ウィルフレッド様の子どもを産むことになるんでしょうかねー」
リナリアは凍りついているアルカから顔を背けて深いため息をついた。独り言のように言う。
「私、アルルのこと女の子だと思ってたんですよねー。もし女の子が生まれたら、ウィルフレッド様にお願いしてアルルっていう名前をつけさせてもらおうかなー。第二のアルルとしてめいっぱい可愛がるんだー」
「わかった。おれが悪かった。頼むから止めてくれ」
早々に白旗をあげて、アルカはリナリアを抱きしめた。少々苦しくなるほどの力で。
(勝ったわ)
抱きしめられたまま、リナリアは密かに強く拳を握った。
「では、アルカ様。私に言うべきことを言ってください」
にっこり微笑む。
「……こっちに来てくれ」
アルカはリナリアの手を引いて立ち上がった。
ソファから少し離れ、リナリアの前で片膝をつき、跪く。
リナリアは凍りついているアルカから顔を背けて深いため息をついた。独り言のように言う。
「私、アルルのこと女の子だと思ってたんですよねー。もし女の子が生まれたら、ウィルフレッド様にお願いしてアルルっていう名前をつけさせてもらおうかなー。第二のアルルとしてめいっぱい可愛がるんだー」
「わかった。おれが悪かった。頼むから止めてくれ」
早々に白旗をあげて、アルカはリナリアを抱きしめた。少々苦しくなるほどの力で。
(勝ったわ)
抱きしめられたまま、リナリアは密かに強く拳を握った。
「では、アルカ様。私に言うべきことを言ってください」
にっこり微笑む。
「……こっちに来てくれ」
アルカはリナリアの手を引いて立ち上がった。
ソファから少し離れ、リナリアの前で片膝をつき、跪く。