花冠の聖女は王子に愛を歌う
「あっ、わかった! あなた、セレン王子に飼われていたペットなのね!?」
それならば、アルルがやたらと高そうな赤い宝石の耳飾りをつけていることにも説明がつく。
ランプの光に照らされた赤い宝石はよく見ると中に金色の花のような文様が入っていて、得も言われぬほど美しい。
「普通の宝石ではないと思っていたのよ。これはセレン王子から贈られたものだったのね、納得したわ――」
耳飾りに触れようと手を伸ばしたが、アルルは首を振った。
「あら? 違うの?」
リナリアは伸ばしかけた手を引っ込めた。
違う。さて、どこから違うのだろうか。ひょっとして前提からか。
「アルルはセレン王子のペットじゃないの?」
アルルは頷いた。
「……? じゃあ、セレン王子とは無関係なの?」
アルルは首を振る。
「うーん? 無関係ではないけれどペットでもない……なら、セレン王子の従者のペットとか?」
またしてもアルルは首を振った。
「王宮にいる誰かのペットではない、ということ?」
アルルは頷いた。
それならば、アルルがやたらと高そうな赤い宝石の耳飾りをつけていることにも説明がつく。
ランプの光に照らされた赤い宝石はよく見ると中に金色の花のような文様が入っていて、得も言われぬほど美しい。
「普通の宝石ではないと思っていたのよ。これはセレン王子から贈られたものだったのね、納得したわ――」
耳飾りに触れようと手を伸ばしたが、アルルは首を振った。
「あら? 違うの?」
リナリアは伸ばしかけた手を引っ込めた。
違う。さて、どこから違うのだろうか。ひょっとして前提からか。
「アルルはセレン王子のペットじゃないの?」
アルルは頷いた。
「……? じゃあ、セレン王子とは無関係なの?」
アルルは首を振る。
「うーん? 無関係ではないけれどペットでもない……なら、セレン王子の従者のペットとか?」
またしてもアルルは首を振った。
「王宮にいる誰かのペットではない、ということ?」
アルルは頷いた。