花冠の聖女は王子に愛を歌う
用意されていたワンピースはエルザの古着らしく、リナリアが着ると少々胸元が余った。
「いかがでしょう」
入浴を終えて案内された公爵邸の客室。
鏡台の前に座り、しげしげと自分の姿を眺める。
髪は後頭部で緩くまとめ、黄色のリボンを結んでもらった。
入浴により薄汚れていた肌は元の白さを取り戻し、頬はほんのりと赤く色づいている。
小花模様のワンピースは可愛らしいデザインで、袖口とスカートの裾には控えめなフリルがついていた。
襟元で光るのはリナリアの瞳と同じ色合いのエメラルドのブローチ。
これならばアルルに――もとい、イスカに会っても恥ずかしくはない。はずだ。
(……よし)
こくり、と一つ唾を飲んで、腹を括る。
「大丈夫です。ありがとうございます」
「では行きましょう。お嬢様とイスカ王子は居間でお待ちです」
「はい」
リナリアは立ち上がり、ユマに誘導されて居間へ向かった。
「いかがでしょう」
入浴を終えて案内された公爵邸の客室。
鏡台の前に座り、しげしげと自分の姿を眺める。
髪は後頭部で緩くまとめ、黄色のリボンを結んでもらった。
入浴により薄汚れていた肌は元の白さを取り戻し、頬はほんのりと赤く色づいている。
小花模様のワンピースは可愛らしいデザインで、袖口とスカートの裾には控えめなフリルがついていた。
襟元で光るのはリナリアの瞳と同じ色合いのエメラルドのブローチ。
これならばアルルに――もとい、イスカに会っても恥ずかしくはない。はずだ。
(……よし)
こくり、と一つ唾を飲んで、腹を括る。
「大丈夫です。ありがとうございます」
「では行きましょう。お嬢様とイスカ王子は居間でお待ちです」
「はい」
リナリアは立ち上がり、ユマに誘導されて居間へ向かった。