花冠の聖女は王子に愛を歌う
マナリス教会の聖女はそう言って、誓約書にサインを求めた。
新しく王となった男は青ざめた。
もしも自分に双子の王子が生まれたら、二人に殺し合いをさせなければならなくなってしまう。
王は恥も外聞もなく跪き、許しを乞うた。
哀れに思ったらしく、《予言の聖女》が言った。
――案ずるな、お前に双子の王子は生まれない。お前の子が双子を生むこともない。
王は安堵し、誓約書にサインした。
それから、後の王家のためを思い、双子の罪が許される方法を尋ねた。
――《光の樹》を蘇らせよ。愚行により枯れ果てた《光の樹》が蘇ることがあれば、それは天界におわす女神マナリスが双子の大罪を許したということ。フルーベル王国に奇跡の光が降り注いだそのとき、この誓約書は破棄されるであろう――
「………………」
長い長い話を聞き終わり、リナリアは言った。正直な感想を。
「クソみたいな話ですね」
びっくりしたらしく、イスカがこちらを見た。
新しく王となった男は青ざめた。
もしも自分に双子の王子が生まれたら、二人に殺し合いをさせなければならなくなってしまう。
王は恥も外聞もなく跪き、許しを乞うた。
哀れに思ったらしく、《予言の聖女》が言った。
――案ずるな、お前に双子の王子は生まれない。お前の子が双子を生むこともない。
王は安堵し、誓約書にサインした。
それから、後の王家のためを思い、双子の罪が許される方法を尋ねた。
――《光の樹》を蘇らせよ。愚行により枯れ果てた《光の樹》が蘇ることがあれば、それは天界におわす女神マナリスが双子の大罪を許したということ。フルーベル王国に奇跡の光が降り注いだそのとき、この誓約書は破棄されるであろう――
「………………」
長い長い話を聞き終わり、リナリアは言った。正直な感想を。
「クソみたいな話ですね」
びっくりしたらしく、イスカがこちらを見た。