愛しの彼女と総長様




悠くんかあ…。


その名前に、ふと懐かしさを覚える。

昔、幼馴染に似た名前の人がいたんだ。雰囲気も似ているし…だから悠くんには、あんまり緊張しないのかもしれない。




「あ、そうだ。一応紹介しておくね。こっちの不良が、赤星(あかぼし)紅蓮(ぐれん)。」

「あ、赤星さん…?よろしくお願いします…」




不良さん…赤星さんは、やっぱりちょっと怖い。

深めに頭を下げるけど、何がいけなかったのか、またしても睨まれる。




「ひっ…」

「あ、こら、赤星。初歌ちゃんのこと怖がらせない。」

「うっせぇな、優等生気取りが」




す、すごい…悠くん、物怖じせずに言い返してる…。


かっこいいなぁ…。私も、悠くんみたいに怖がらずに人と話せたら良いのにな…。


< 10 / 21 >

この作品をシェア

pagetop