総長様は溺愛も暴走する
「それに初歌ちゃんの髪の色、僕とお揃いでしょ?」
「あ、本当だ…!」
私の髪を見て微笑みながら、自分の髪を一房つまむ悠くんは、それだけでも絵になっている。
悠くんがつまんだ部分は、ミントグリーンの髪色の中に一房だけ桜色になっていて、私の髪色とそっくり。
「おそろいとか…女子かよ。あ、刈谷、俺今日は帰るから、教師に言っとけ」
え、まだ2時間授業あるのに、帰っちゃうの…?
新学期の先生のお話とかもあるだろうし、後々困らないのかな…?
私がそう思って赤星さんを見ていると、赤星さんはまるで「鬱陶しい」とでも言わんばかりに舌打ちをした。
「こっち見んな。消すぞ」
「すっ、すみませんっ…!」
ジロジロ見られるのは、やっぱり不快だったみたい…!
不良さんだし…なんて思っちゃダメなのに…!
人を不快に指せることはしちゃいけないのに…考えなしの自分が嫌になる。