総長様は溺愛も暴走する
「僕も内心、赤星と同じことをしたいって思っているかもしれないよ?」
「えっ⁉」
悠くんが赤星さんと、同じ⁉
私が驚くと、その反応を楽しむかのように悠くんは愉快そうに笑う。
「まぁ、僕も一応優等生で通っているから、赤星みたいなことをする気はまだないけどね…」
「は、はぁ…」
す、すごい…。
出会ったばかりだから仕方ないかもしれないけど、悠くんという人が掴めない。
私が尊敬の念を抱いていると、悠くんがふと無表情のような、真剣な表情になって私を見てきて、私も自然と背筋を伸ばす。
「でも、赤星もそうなんだけど…この学校は、2つの暴走族の抗争の中心地だから、赤星みたいな不良には慣れておいたほうが良いよ。」
私はその言葉に、思わず動きを止める。