総長様は溺愛も暴走する
抗争 【side.紅蓮】
* * *
現在。
俺達は浪花との抗争のために、人気のない公園へと足を向けていた。
「う、わぁ…」
テルが呆れたように苦笑いをして、相手を睨みつける。
そこには軽く数百人はいるであろう、浪花の構成員たちが、勢揃いでこちらを見ていた。
「ミスったね、これ。たしかにいつも通り俺達は幹部のみの抗争のつもりだったけど、浪花から人数制限の言及はなかったし…」
ため息を付いてテルは俺の方を見る。