総長様は溺愛も暴走する




「でも、忘れないでね?」




紅蓮くんのちょうど真横で、悠くんは足を止め、彼の耳元で何かを囁いた。





「―――――――――」





距離があって少し聞き取りづらい。

だけど、紅蓮くんに向けての言葉だから、私は聞かなくても大丈夫。



紅蓮くんはその言葉を聞いて、心底嫌そうに、不機嫌そうに眉を寄せた。




「それじゃあ、初歌ちゃん。また明日学校でね。」




悠くんが浪花の方へと歩いていってしまうと、紅蓮くんに引き寄せられた。




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