総長様は溺愛も暴走する
「わっ…」
「初歌」
ぎゅうっと後ろから抱きしめられて、私は戸惑う。
「本当…驚いた」
「うん…びっくりさせちゃってごめんね。今度、悠くんにもちゃんと謝らないと」
お詫びのお菓子とか、持っていこうかな…。
「あの時、お前が…天使みたいに見えた」
天使、って…大げさじゃないかな…?
私はただの地味子だし…容姿は可愛くもなんともない。
大きなメガネに、子供みたいなツインテール。
この姿を可愛いと言ってくれるのは家族や悠くんぐらいだ。