総長様は溺愛も暴走する
勇気を出して
「はい、初歌さんの寮はここ!荷物はすでに業者さんが運んでくれているから、中にあると思うよ。」
先生に案内されて、私は自分の部屋となる寮に来ていた。
校舎と同じ白塗りの壁、おしゃれな模様があしらわれた気品のあるドア。
さすが、御伽乃学園というべきだろうか…。
御伽乃学園は、初等部、中等部、高等部、大学などに別れているけれど、その全部が全寮制。
だから私も、女子寮に入寮することになったんだ。
「初歌さん、初日から赤星に絡まれて、疲れたでしょ。今日はゆっくり休むなり、校舎を散歩するなりして、ゆったり過ごすんだよ」
「はい…!毎度、本当にありがとうございます…!」
「これ、部屋の鍵ね。なくさないように気をつけて、それじゃあ、また明日!」
手に渡された美しい銀色のカードキー。高そうなそれを手に、思わず呆然としていたら、先生はいつの間にか居なくなっていた。
カードを入れるインターホンの横にある機械にカードを読み込ませると、静かに鍵が開く。
どんな部屋だろう…!