総長様は溺愛も暴走する
足を踏み入れた先にあるのは、まるで高級ホテルとでも言わんばかりの部屋だった。
真っ白な壁と大理石の床、優雅なソファとカーペット。
部屋はいくつかあり、おそらくリビングダイニングとキッチン、寝室、それからもう一つの部屋、お風呂…と言った感じに分かれているみたい。
す、すごすぎる…。一体何畳あるんだろう…。
そんな中に無造作に置かれていた自分の荷物を手に取り、寝室へと運ぶ。
美しく整えられたベッド、磨き抜かれた勉強机…挙げればキリがない見事な家具の数々。
こ、こんな部屋に住むのか…
当たり前のようにこんな見事な部屋で生活できている学生たちに、尊敬の念を覚える。
ついでのようだけれど、こんなにも大きな部屋が、1人用だ。
このことを聞いた時、本当に驚いたし、今もちょっとだけ罪悪感がある。
な、なんだか、私の足でこの部屋に踏み入れてしまってごめんなさい…!
罪悪感という罪悪感に駆られながら、私は荷解きをすることになった。
* * *