総長様は溺愛も暴走する






そんな過去はあるけれど…

人がそんなに、いきなり変わるわけじゃない。


私は今も、おどおどと校門の前をさまよっている。




「あ、おーい!そこの、そこのキミー!」



明るくて大きな声にびっくりして、その声の方向に顔を向けると、こちらへ笑顔で手を振る男性がいた。


せ、先生かな…?


急いでその男性の元へ駆け寄ると、男性はニコニコと私を見た。




「キミが、如月初歌さん?」


「は、はい!如月初歌と言います!せ、先生、ですか…?」




一生懸命、印象をよくできるように挨拶したつもりだったけれど、結局後ろのほうがしりすぼみになってしまう。


先生はそんな私に構わず、人懐っこい笑顔を向けてくれる。




「うん、キミの担任です!今日からよろしくね、初歌さん」

「よ、よろしくお願いしますっ!」



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