総長様は溺愛も暴走する



そう願い、震える足を叱咤して、階段を登る。


そのたびに笑い声とか、打撃音とかが、大きくなってきて、息を殺して、身を縮こませて歩く。




そして、階段を最上階まで登りきったときだった。




「こんな簡単な策にハマるとか…“朱華(ハネズ)総長(そうちょう)も大したことねーな!」




それと同時に、階全体に響き渡る笑い声。



その言葉に、身を固くする。




もしかして、もしかして。



あの人達に、殴られているのって…「朱華(ハネズ)」の総長なの?


朱華(ハネズ)」って、あの…武闘派の、暴走族の?




しかも、あの人達…「策」って言っていた…。


罠にはめて、袋叩きにしているってこと…?



< 31 / 107 >

この作品をシェア

pagetop