総長様は溺愛も暴走する
見るだけで人をひるませる、そんな威圧感があった。
怖い…だけど、ほっといちゃいけない…!
今回ばかりは、曲げられない…!
「赤星さん…触れられるのが苦手なら、ごめんなさい。
でもあの、敵意はありません! 一切です!
それに、怪我をそのままにしておくと痕が残ったりする可能性がありますし、ウイルスや細菌が傷口に入って、感染症のリスクも高まってしまうんです!」
いつになく早口で、大きな声を出して喋る私に、赤星さんは驚いたように目を見開いた。
「赤星さんは不良で、体は頑丈なのかもしれませんけど……傷口からウイルスが入って、それが原因で命を落とすこともあるんです。
大げさかもしれませんが、こんな状態で放って置かれたら、やっぱりそのリスクは高まります…!
お願いします、私のためと思って、おとなしくしていてくれませんか…?」