総長様は溺愛も暴走する
私の必死の言葉に、赤星さんは折れたのか、身を委ねるように目を瞑った。
よ、良かったぁ…。
ホッとして、手始めに腕のテープをちぎろうとする。
わっ…か、かなり固く巻かれてる…。
赤星さんが痛がらないように、慎重に慎重に剥がしていく。
その間も、赤星さんに「敵意はありません、害意はありませんから…」と、何度も念押しする。
良いから早く、というように赤星さんが頷くと、私はテープに目を戻す。
腕のテープが剥がされると、赤星さんは自力で足の拘束をあっさり解いた。
「…世話になった」
「い、いいえ…これは、自分のためでもあるので…」