総長様は溺愛も暴走する



* * *




赤星さんに肩を貸して、私の部屋にたどり着いたときには、もうヘトヘトだった。




だけど、怪我の手当もしなくちゃ…!という思いだけで、私は部屋中を動き回った。


良かったことに、さっき荷解きしたばかりだから、物が少なくて探しやすい。




私が消毒液やら絆創膏、包帯なんかを用意している間に、赤星さんは私の小さなスツールにぼうっと腰掛けていた。




「赤星さん、すみません、少し染みるかもしれません」



と前置きして、水で傷口を洗う。

赤星さんは少し痛そうに顔を歪めたけれど、暴れたりする様子はない。



傷口を洗い終わって、包帯や絆創膏を貼っていると、赤星さんが口を開いた。


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