総長様は溺愛も暴走する
「別に、暴走族同士の諍いに一般人が巻き込まれたくないってのは普通のことじゃねーの?
それに、あいつらがいなくあった後でも、俺を助けてくれたことに変わりはないだろ。助かった。」
優しいだろ、お前。と微笑む赤星さんは、改めて見るとびっくりするぐらい美しい。
初めて見る笑顔は…本当に、威力が高すぎる。
かぁっと熱くなる頬を感じながらも、指に神経を集中させて、怪我の手当はし続ける。
そんな私に呆れたように赤星さんは笑っている。
す、少しは気を許してもらえたかな…?
手当がほとんど終わって、救急箱の中身を片付け終わると、私は赤星さんに向き合った。
「あの…」
「なんだ?」
こ、心なしか、学校にいたときよりも口調が優しい気がする…。