総長様は溺愛も暴走する
休み時間、俺は体に異変を感じた。
目眩や吐き気、これは…毒だろーな。
俺は家にいた頃は、兄貴が毒を盛られているのを何度か見てきた。
ただ、自分が盛られるのは初めてだった。
くそ…体がうまく動かねぇ…。
喧嘩で負った傷や、外傷であれば問題ない。
ただ、内側から迫りくるものには、どれだけ鍛えてもどうにもならなかった。
俺は教室で襲撃を受けるのは避けたいと、いつの隠れ家にしている旧校舎へと向かった。
―――それがミスだった。