総長様は溺愛も暴走する
俺に毒を盛った奴らと同一人物か、それとも全く別で俺を狙っていた奴らか…。
俺はそいつらに襲撃を受けた。
まぁ、俺がよくここにいるのは知っている奴らであれば有名だろうし、襲撃を受けることも何度かあった。
ただ、今回は…タイミングが悪かった。
鉄バットで頭を殴られ、そのまま袋叩きにされ、手足を塞がれて放置。
久しぶりに、ヤベェかも、と考えた。
このままずっと放置されて、他のやつに襲撃されることも、朱華総長として朱華のメンバーにこんな姿を見られると思った。
だから、まぁ…俺を最初に見つけたのが、如月初歌で良かったのかもしれない。
俺の警戒心を刺激しないように、テープをほどいた彼女。
力が入らない、情けない俺を自然に部屋まで運び、手当までした人間。
これは、俺の人生ではありえない…おかしなことだった。