総長様は溺愛も暴走する
「この子がさっき言った転入生の如月初歌さんです!はい、じゃあ初歌さん、自己紹介お願いします!」
じ、自己紹介…。
あるとは思っていたけれど、私はこの儀式が苦手だ。
人の前に立って自分のことを話すのが、怖くてたまらない。
でもなんとか前を向いて、口を開いた。
「き、如月初歌、です…。よろしく、お願いします」
やっとのことだけそれだけ言うと、先生は頷いてくれて、席に案内してくれた。
よかった、この先生で…。
「じゃあ悠、後はよろしくな〜」
「はい、先生。承知しましたよ」
隣の席の男の子と先生が何やら話していたけど、それも気にならないくらいに私は疲れてしまっていた。
* * *