総長様は溺愛も暴走する
「なんかあったら俺に頼って、俺がダメな時はテルに頼れ。まぁ、テル以外は覚えなくていいぞ」
「あれあれ?紅蓮〜、俺のこと、信頼してくれてるってこと〜?やだ〜、嬉しい!紅蓮のツンデレ!」
「うるせぇ」
ガッと蹴り飛ばされて、宙を飛ぶテルくん。
だ、大丈夫…⁉
紅蓮くんは気にすることなく、私の手を引いて椅子に座らせてくれた。
「お前の席はこっち」
「あ、ありがとう…テルくんは大丈夫なの?」
それでも心配になって、テルくんの方を見ながら聞くと、紅蓮くんは少し不機嫌そうな顔をしてため息をついた。
「あいつは俺の副総長だ。あの程度でへばんねぇよ」
その言葉通り、テルくんは「いったた…もう…」と言いながら、軽々と起き上がっている。
すごい…信頼しているんだな…。