総長様は溺愛も暴走する
「んじゃ、幹部会始めるよー」
起き上がったテルくんがそう言うと、皆の背筋がピシリと伸びる。
紅蓮くんはあくびをしながら、私の横の立派な椅子にどっかりと座り込んだ。
「今日は集会っていうか、幹部会だ。ここで決まったことを幹部共が下に伝える」
「そうなんだ…それじゃあ、紅蓮くんは部下の人たちに会ったことあるの?」
「いーや。普通にそこら中にいるからすれ違いはしてるだろうけど…基本的に、俺は朱華総長として表に立たない。バレてるやつにはバレてるだろうけどな…」
今日来た奴らや、浪花のように。
そう言って紅蓮くんは目を細くして笑う。
その間にもテルくんは、しっかりと司会をしていた。