総長様は溺愛も暴走する
悠くん
* * *
『俺たちは集会の準備やらで忙しくなるから、あまり初歌のそばにいることができない。
だから、できる限り外出は避けて、外出する時は必ずスマホを持っていけ』
紅蓮くんは私にそう厳命して、私はその威圧感に思わず首を縦に振ってしまった。
今思えば、そんなに心配しなくても大丈夫だったと思うんだけど…。
あの集会のあった日から4日後。
紅蓮くんは抗争の準備みたいで、今日は朝から学校に来ていない。
授業日数とかが心配になって1度声をかけてみたら、空いている時間は少しずつ学校に来るようになって、安心した。
と、いうわけで…今日も学校に紅蓮くんが居ない。
紅蓮くんが怖いのか、私達の周りの席には誰も座りたがらないから、私のご近所さんは悠くんだけみたい。