総長様は溺愛も暴走する
「…まぁ、あんな事言う女より、初歌ちゃんの方がよっぽど可愛いもんね」
いつの間にかうつむいていた顔を上げると、悠くんが穏やかに笑っていた。
あ、あれ…?
笑ってる、けど…目が笑ってない…?
悠くんがゆっくりと女の子たちを一瞥すると、女の子たちは顔を真っ青にして廊下に行ってしまった。
「大丈夫?初歌ちゃん。ああいう人間って、結構どこにでもいるよね」
「う、うん…」
「またこういうことがあったら、すぐに教えて。絶対に助けに行くから」
「ありがとう…」
ヒーローみたいな台詞も、悠くんが言ってしまうと自然に思えてしまうから不思議。