総長様は溺愛も暴走する
私はこれまでのことを思い出して、急に緊張と…疑問がこみ上げた。
私は人見知りで、アメリカでも友達のお家などにお邪魔したことがない。
見知って1ヶ月も経たない人の部屋なんて、もってのほかだった…はずなのに。
悠くんだけは、平気だった。
話しかけられてもすぐに会話ができるようになったし、こうしてお部屋にもおじゃますることができている。
悠くんはどこか、あの子に似ているからかな…?
なんだか懐かしい感覚があるし…。
悠くんはガラスのコップに冷えた麦茶を入れて、運んできてくれた。
「ありがとう、悠くん」
「感謝されるほどのものじゃないよ」
結露のついたコップを手にとって、喉に冷たい感覚が注ぎ込まれる。
一口お茶を飲んでコップを置くと、悠くんが私をじっと見つめてきていた。