総長様は溺愛も暴走する
その頃まで、河川敷での交流は続いていた。忙しくなっても、それだけは欠かさなかった。
僕にとって、初歌ちゃんは、何にも変わらない、大切な人になっていたんだ。
けれど、僕たちにはほとんど同時に転機が訪れた。
不定期だった河川敷の交流が減り、ついには何週間も初歌ちゃんに会えなくなっていた。
そんな中で、僕自身も、両親の離婚が決定して、しばらく河川敷に行けなくなっていた。
少しして、母親に引き取られることが決定して、落ち着いてきた頃。
会えなかったことを謝ろうと、連日河川敷に通い詰めた。
初歌ちゃんは、来なかった。
それも、一度も。