総長様は溺愛も暴走する
あの初歌ちゃんが、すっぽかすなんて考えられない…まさか、愛想を尽かされたのかな…?
そのことが僕の心を戦慄させた。
それだけは、心の底から恐ろしく感じた。
僕は喧嘩や情報力で、近隣の僕と同じような子どもたちの中心になっていた。
その時すでに、小さなグループのようなものが形成されていたんだ。
僕はそいつらを使って、初歌ちゃんについて調べた。
初歌ちゃんが念の為、と教えてくれていた住所に訪ねると、その家はすでに空き家となっていた。
近隣住民に話を聞くと、彼女の身に起こったことをほとんど知ることができた。
初歌ちゃんの母親が再婚して、初歌ちゃんに新しい父と姉ができたこと。
2人は優しそうで、母親も楽になって、幸せそうにしていた、と聞くことができた。