総長様は溺愛も暴走する
「うん、ごめんね…言い訳になるけど、急に引っ越しが決まっちゃって、挨拶する暇もなくて…」
「ううん、僕も怒ってるわけじゃないから大丈夫。また会えたし」
ゆうくんはもう一度嬉しそうに表情を変える。
お母さんが再婚する話はだいぶ前から決まっていたみたいだったけど、新しいお父さんの転勤が決まったのが再婚と同時ぐらいで、バタバタしている間に、あの河川敷に行くことができなくなっていたんだ。
「会えなかった間、初歌ちゃんに何があったのか、教えてほしいな」
「うん!私も、話したいことがいっぱいあるの!」
私は悠くんに話せていなかったことを、きちんと話さないと。