10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
17.家事代行?
もう、真夜中の0時を過ぎた。

 電気を消した病室で私と江夏君はまるで修学旅行のように、巡回する看護師に隠れてこそこそとお喋りしてた。

「江夏君、そろそろ就寝しないとまずいかと思うよ。お願いだからベッドで眠って!」
「それは無理、流石に女の子を簡易なソファーベッドで寝かして、自分がベッドはないでしょ」
 私と江夏君は結局、巡回の看護師が来るとそれぞれベッドとソファーベッドに分かれて寝たふりををしていた。

 また、巡回の看護師さんが私たちを覗きに来る。
 先程まで2人でベッドに座って話していたが、咄嗟に江夏君がソファーベッドで寝たふりをしたので私はベッドで眠ったふりをした。
 
 看護師さんが去ると共に、私は江夏君に抗議した。

「流石に付き添いの私がメインベッドに寝てるのは可笑しくない?」
「可笑しかったかも⋯⋯カカア天下なカップルと思われたかもね」

 江夏君の言葉に確かに私と彼は側から見るとカップルに見えるのかもしれないと思った。冬馬さんは世界が違いすぎて、私は彼といる時いつも緊張していた。今は本当に気が抜けて自然体でいられる。

「俺の刺されたニュース出てるわ」
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