10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
 彼は心底楽しそうに私を抱き寄せキスしてきた。
 身を捩って逃げようとするも、しっかりとホールドされてしまい逃げ出せない。

ピンポーン!

ピンポーン! ピンポーン!
 インターホンがなったのを彼は最初は無視していたが、何度も鳴らされ堪忍したようにインターホンに出た。


「えっ? 警察?」
 インターホンの液晶画面を見た城ヶ崎が怪訝な表情をしている。

「私、さっき警察を呼んだと言いましたよね?」

 城ヶ崎さんは信じられないというような驚愕の表情を浮かべながら扉を開けた。すると2人の若い警察官が仰々しい制服を着てそこに立っていた。

「港区警察の者です。こちらから女性が襲われているという通報を受けて駆けつけました」
「はい! 私が通報者です。こんなに早く来て頂きありがとうございます」
 
 私の上から下までを舐めるように警察官が見る。
 引越し業者の制服を着た女性が襲われているという状況がレアケースなのだろう。


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