10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
「私は今日、この部屋の引っ越しのバイトに来た桜田未来と申します。業務終了後、置き去りにされ部屋の所有者である城ヶ崎冬馬に襲われました。さっきまで上半身に着ていた服を脱がされていたんです」
警察官2人が顔を見合わせた。
恐らく滅多にない状況なのだろう。
「痴話喧嘩に付き合わせてしまい申し訳ございません。私、こういうものです」
城ヶ崎さんが警察官にいつの間にか名刺を差し出していた。
その名刺を見た途端、警察官がまた顔を見合わせた。
「城ヶ崎様⋯⋯あのご事情を伺っても宜しいでしょうか?」
婦女暴行の容疑者である城ヶ崎冬馬を「様」付けした警察官に私は驚愕した。
(何だろう⋯⋯本当に警視総監の息子とか?)
「彼女は俺の恋人です。ただ、彼女が社会勉強がしたいと言い出して、止めたのに引越しのバイトをしていたんです。その過程で彼女が危ない目に遭ったので喧嘩になってしまって⋯⋯」
城ヶ崎さんが柔和な表情で落ち着いた声で答えている。
ここにも澤田のように淡々と嘘を吐ける人間がいた。
警察官が彼に向き直り頷きながら真剣に耳を傾けている。
警察官2人が顔を見合わせた。
恐らく滅多にない状況なのだろう。
「痴話喧嘩に付き合わせてしまい申し訳ございません。私、こういうものです」
城ヶ崎さんが警察官にいつの間にか名刺を差し出していた。
その名刺を見た途端、警察官がまた顔を見合わせた。
「城ヶ崎様⋯⋯あのご事情を伺っても宜しいでしょうか?」
婦女暴行の容疑者である城ヶ崎冬馬を「様」付けした警察官に私は驚愕した。
(何だろう⋯⋯本当に警視総監の息子とか?)
「彼女は俺の恋人です。ただ、彼女が社会勉強がしたいと言い出して、止めたのに引越しのバイトをしていたんです。その過程で彼女が危ない目に遭ったので喧嘩になってしまって⋯⋯」
城ヶ崎さんが柔和な表情で落ち着いた声で答えている。
ここにも澤田のように淡々と嘘を吐ける人間がいた。
警察官が彼に向き直り頷きながら真剣に耳を傾けている。