10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
私は冬馬さんが私の作ったロールキャベツを美味しいと言いながら食べてくれたのを思い出していた。あれは、つい一昨日の出来事で、とても幸せな時間だった。
「どうであれ、私は彼をサポートしに北海道に行きます」
私は冬馬さんの目を見据え決意表明をする。
「じゃあ、江夏爽太の北海道行きはやめにするわ。しばらく未来が、ここを離れたいなら北海道でも海外でも3ヶ月くらいは何とかできるけど? 会議もリモートですれば良いし」
目の前の男が底知れぬ権力を持っているようで怖い。
大手企業勤務の江夏君の人事まで彼の力でどうにでもなるという事だ。
私とは生まれも育ちも価値観も全てが違う人。
どうして私が彼と恋人になったのか理解に苦しむ。
(『桜田さんが記憶喪失なのを良いことに恋人になりすましたって事はない?』)
その時、江夏君の言っていた言葉が脳裏に蘇った。
可能性としてはあり得ても、流石に冬馬さんがそこまで人権を無視したような行動をするとは思えない。
私は優しくて、いつも私を労ってくれた彼を知っている。
そもそも、そんな事する目的も動機も彼にはないはずだ。
「どうであれ、私は彼をサポートしに北海道に行きます」
私は冬馬さんの目を見据え決意表明をする。
「じゃあ、江夏爽太の北海道行きはやめにするわ。しばらく未来が、ここを離れたいなら北海道でも海外でも3ヶ月くらいは何とかできるけど? 会議もリモートですれば良いし」
目の前の男が底知れぬ権力を持っているようで怖い。
大手企業勤務の江夏君の人事まで彼の力でどうにでもなるという事だ。
私とは生まれも育ちも価値観も全てが違う人。
どうして私が彼と恋人になったのか理解に苦しむ。
(『桜田さんが記憶喪失なのを良いことに恋人になりすましたって事はない?』)
その時、江夏君の言っていた言葉が脳裏に蘇った。
可能性としてはあり得ても、流石に冬馬さんがそこまで人権を無視したような行動をするとは思えない。
私は優しくて、いつも私を労ってくれた彼を知っている。
そもそも、そんな事する目的も動機も彼にはないはずだ。