10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
20.あんなに好きだったのに
「⋯⋯」
冬馬さんが沈黙している。
即答してくれないのが、答えなのかもしれない。
「冬馬さん、答えて!」
私は気がつけば彼のシャツを掴んで訴えていた。
「ごめん」
彼が呟いた言葉に私は天地がひっくり返ったような気がした。
思わずソファーから立ち上がり、スマホを握り締め部屋を出ようとする。
「待って、未来! 話を聞いて!」
後ろから冬馬さんが、私を骨が折れそうな程強く抱きしめてきた。
彼の温もりにホッとしたり、好きだと再確認することが多かったのに今はひたすらに彼が怖い。
おそらく、先程まで私には彼を好きな気持ちが残っていた。
その気持ちも恐怖で真っ黒に塗り潰されてしまった。
「どうして、そんな事⋯⋯」
心は泣き叫んでいるのに、悲しさと恐怖で涙も出ない。
「未来は初対面の俺を命懸けで助けてくれた。そんな君に興味が湧いて近づきたいと思って嘘をついた」
「たったそれだけの理由で、一緒に住んだり、婚約したり、親に紹介しようとしたりまでするんですか? この短期間で?」
発する声が裏返ってしまう。
頭が完全にオーバーヒートしている。
冬馬さんが沈黙している。
即答してくれないのが、答えなのかもしれない。
「冬馬さん、答えて!」
私は気がつけば彼のシャツを掴んで訴えていた。
「ごめん」
彼が呟いた言葉に私は天地がひっくり返ったような気がした。
思わずソファーから立ち上がり、スマホを握り締め部屋を出ようとする。
「待って、未来! 話を聞いて!」
後ろから冬馬さんが、私を骨が折れそうな程強く抱きしめてきた。
彼の温もりにホッとしたり、好きだと再確認することが多かったのに今はひたすらに彼が怖い。
おそらく、先程まで私には彼を好きな気持ちが残っていた。
その気持ちも恐怖で真っ黒に塗り潰されてしまった。
「どうして、そんな事⋯⋯」
心は泣き叫んでいるのに、悲しさと恐怖で涙も出ない。
「未来は初対面の俺を命懸けで助けてくれた。そんな君に興味が湧いて近づきたいと思って嘘をついた」
「たったそれだけの理由で、一緒に住んだり、婚約したり、親に紹介しようとしたりまでするんですか? この短期間で?」
発する声が裏返ってしまう。
頭が完全にオーバーヒートしている。